お中元やお歳暮と言えば、日頃の感謝を伝える大切なものですよね。
定番の物は何か、喜ばれそうな物は何か、考えるのも楽しいです。
でも、もし相手が忌中だったら、どうしましょう。
近しい人を亡くしてから四十九日が明けるまでは、お祝い事を避けるのが日本です。
日頃のお礼とはいえ、贈り物のマナーを知らないとトラブルにもつながってしまいます。
この記事では、忌中の場合のお中元やお歳暮についてまとめています。
相手が忌中の場合のお歳暮やお中元のお礼状の書き方とは?
さて、相手が忌中の場合、お中元やお歳暮を贈っても良いのでしょうか。
実は、贈っても何も問題ありません。
というのも、忌中はお祝い事を避ける、控える期間を言います。
じゃあ、どうしてお中元やお歳暮は許されるのか。
これは、お中元やお歳暮がお祝い事じゃないからなんですね。
そもそも皆さんは、お中元やお歳暮の役割を知っていますか?
お中元は半年のお礼、お歳暮は1年間お世話になったことのお礼です。
決して、お祝い事ではないんです。
皆さんも、ちょっと落ち込んでいる時に「おめでとう」って言われるとムッとしませんか?
今それどころじゃないんだけど!って思いますよね。
忌中というのは、そういう気遣いなんです。
でも、もし落ち込んでいる時に「いつもありがとう」と言われたらどうですか?
あんまり、ムッとはしませんよね。
だから、相手が忌中でもお中元やお歳暮を贈っても大丈夫です。
ただ、四十九日が明けるまでは相手も忙しいし悲しむ気持ちもありますよね。
ですから、お中元やお歳暮は忌中が明けてから贈る方が無難です。
お中元の時期とずれるなら「残暑見舞い」として贈れば大丈夫です。
お歳暮の場合は、1月8日から2月4日までに「寒中見舞い」にしましょう。
もし忌中であることを知らずに贈ってしまった場合は、キチンとそう伝えましょう。
はがきなどで「ご不幸を存じ上げず、失礼を致しました」など、一言謝りましょう。
これが無いと、相手が嫌な思いをしてしまうかも知れません。
また、忌中の相手からお中元やお歳暮が届くこともあると思います。
本来ならば、忌中が明けてからお中元やお歳暮を出すものです。
しかし、時期を守る為に忌中でも贈ってくださることもありますよね。
忌中でも喪中でも関係無く、お礼状は必ず書きましょう。
お礼状には、季節の挨拶とお中元・お歳暮へのお礼、相手の体調を気遣う言葉を書きます。
自分が忌中の場合のお歳暮やお中元・お年賀を送る際の注意点は?
次に、自分が忌中の場合です。
忌中の場合は、忌中が明けてからお中元やお歳暮を出すようにしましょう。
というのも、四十九日が明けるまでは「死の穢れ」がついていることになります。
この状態で誰かに物を贈るのは、失礼にあたると考える人もいます。
ですから、忌中が明けるまでは待ちましょう。
忌中明けを待っていたらお中元やお歳暮の時期に間に合わないこともありますよね。
その場合は、残暑見舞いや寒中見舞いとして出しましょう。
また、お年賀というものがありますよね。
お年賀は、新年の挨拶です。
お歳暮が間に合わなかった時にお年賀として贈ることもあります。
しかし、喪中の場合はお年賀は大変な失礼に当たります。
喪中の場合、当然ながら年賀状は出しませんよね?
年賀状は、新年のお祝いです。
同じように、お年賀も新年のお祝いなので、贈ってはいけません。
忌中明けがお歳暮に間に合わない場合は、寒中見舞いとして贈りましょう。
寒中見舞いは、1月8日から2月4日までの間に贈るものです。
いずれの場合も、水引きをかけずに贈るようにしましょう。
できれば、「先日は忌中により、失礼いたしました」と一筆添えておきましょう。
また、自分が忌中の場合でもお中元やお歳暮を受け取ることに問題はありません。
受け取るだけでなく、普段と同じように必ずお礼状を出すようにしてください。
また、忌中の間に受け取ったお中元やお歳暮へのお礼状ですが、少しポイントがあります。
季節の挨拶とお中元・お歳暮へのお礼との他に、もう一つ書くことがあります。
「ご心配をおかけ致しておりましたが、私どももようやう落ち着きを取り戻して参りました」
という一言を添えましょう。
忌中の相手への安否は、聞きづらいですよね。
そもそも、聞くこと自体マナー違反だという考えもあります。
ですから、自分から「大丈夫です」と伝えるようにしましょうね。
また、故人へのお中元やお歳暮が届いてしまうこともありますよね。
その場合は、すぐにお礼とお詫びを出しましょう。
連絡先の確認ができないなどの事情はありますが、不幸を伝えられなかったことへのお詫びです。
また、頂いたものと同等のものを送るようにしましょう。
決して、頂いたものをそのまま送り返さないでください。
お礼とお詫びの手紙の文例
寒さも本格的になって参りましたが、ご健勝のご様子何よりと存じます。
この度は、○○(故人の名前)に結構なお品を賜りまして誠にありがとうございます。
しかしながら○○(故人)は、今年○月○日に永眠致しております。
生前に賜りましたご厚情に深く感謝致しますとともに、連絡が遅れましたことを衷心(ちゅうしん)よりお詫び申し上げます。
忌中のため来年は新年のご挨拶を控えさせていただきますが、厳寒の折り、お風邪など召しませんようご自愛くださいませ。
略儀ながら書中にてお礼申し上げます。
敬具
と言う風になります。
まとめ
いかがでしたか?
お中元やお歳暮は、日頃の感謝を伝える大切なものです。
そして、人とは必ず忌中を迎えるものです。
その為のマナーは人にも聞きづらいので、知らないことも多いですよね。
それでは、今回のおさらいです。
・相手が忌中の場合、水引きや紅白の熨斗は使わないこと
・自分が忌中の場合、忌中が明けてからお中元やお歳暮を贈ること
・忌中の間にお中元やお歳暮を頂いたら、近況報告もお礼状に書くこと
・故人宛てにお中元やお歳暮が届いた場合は、必ずお詫びの手紙と品物を送ること
の5つです。
特に、訃報が相手に伝わらず故人に物が届いてしまうことはよくあります。
生前お付き合いのあった方には、訃報を知らせる必要があります。
しかし、連絡先の変更などで伝わらないこともありますよね。
それは、キチンと謝る必要があります。
いずれにせよ、マナーを守って、お互いに気持ちの良いお中元やお歳暮にしましょうね。