鯉のぼりの上にある5色の吹き流しについて知っていますか?
鯉のぼりの吹き流しは、古代中国の五行説に由来しています。
また、吹き流しは子供の無事な成長を願って魔除けの意味で飾るという説もあります。
小さな子供にはまだ難しいことかも知れませんが、もし聞かれたら答えられるように、吹き流しの意味や由来について触れてみましょう。
鯉のぼりの吹き流し色の順番とは?
吹き流しの色の順番は、青→赤→黄色→白→黒となっています。
この五色は古代中国の五行説という考え方が由来となっています。
五行説とは、自然界に存在する全てのものは「木」「火」「土」「金」「水」の5つの元素からできているという古代中国の思想です。
更にこの5つには東西南北と中央という方位が当てはめられており、吹き流しの順番はこの方位を元にしています。
青は東、赤は南、黄色は中央、白は西、黒は北とそれぞれに方位が割り振られ、この5つが円になっているのが吹き流しです。
吹き流しの色や五行説は知っていても、東からぐるりと回る方位順になっているというのは知らない人も多いのではないでしょうか。
私も、「何かヒラヒラしてるなぁ」ぐらいにしか思っていなかったのでびっくりです。
鯉のぼり吹き流しの意味や由来とは?順番や色に理由がある?
鯉のぼりの吹き流しの色は、青(緑)、赤、黄色、白、黒の5色です。
子供にも馴染み深く覚えやすい色ですが、これにもキチンと意味があります。
吹き流しの5色は、古代中国の思想である「五行説」に由来しています。
五行説は、自然界に存在するあらゆるものは「木」「火」「土」「金」「水」の5つの元素から成り立っているという中国の思想です。
どうして日本の行事に中国が出て来るのか疑問に思う人もいるかも知れませんが、鯉のぼりは元々中国の昔話が由来となっているので、中国の思想が吹き流しの色にも現れました。
五行説と言うと小難しいイメージですが、皆さんは「お星さま」を描いたことはありませんか?
あれを五芒星と呼び、それぞれの角に元素を当てはめることで魔除けにしています。
万物を作る5つの元素が互いに助け合って、邪気を払うと信じられていたんですね。
昔は子供が生まれてもすぐに死んでしまい、神様のところに帰ってしまうと言われていました。
特に赤ちゃんの死亡率は高く、7歳まではいつ神様のところに帰ってもおかしくない、まだ人間の世界に固定されていないという考えがありました。
その為、神様のもとへ帰らず無事に成長してくれますように、病気や邪気から子供を守ってくださいという願いを込めて、五色の吹き流しを飾りました。
鯉のぼりも元々、子供の成長を願った親心からできた文化です。
吹き流しも同じように、子供の為にと願う親心の表れなんですね。
また、昔は現代の緑色を「青」と呼んでいました。(ややこしいですね)
その為、吹き流しの青も緑で作られていたり、色が暗くならないよう黒の代わりに紫を使っていることもあります。
色が違っても魔除けの意味は同じなので、発色や青と緑の違いなどで選ぶこともできますよ。
鯉のぼりの吹き流しの種類は色々あるの?
吹き流しには、大きく分けて2種類があります。
「雲竜吹き流し」と呼ばれるものと、「五色吹き流し」と呼ばれるものの2種類です。
雲竜吹き流しは、白の大きな吹き流しに五行説の五色で模様が描かれています。
これは、鯉のぼりの由来である竜門の滝を昇り終えて竜になった鯉の姿だとされています。
これに対し、五色吹き流しは五行説の五色の布を円形に縫い合わせた吹き流しです。
雲竜吹き流しとは違い、模様が控えめだったり無地なものが多いです。
家紋を入れたい場合は雲竜吹き流し、入れない場合は五色吹き流しを選ぶのが一般的です。
また、地域によっては吹き流しの形も違います。
7色の吹き流しを飾る地域もあるそうなので、地域や子どもの好みに合わせたものを選んであげることをおすすめします。
現代では鯉のぼりの形や飾り方も変わって来ているので、吹き流しのデザインも変わって来ています。
室内用の小さな鯉のぼりには、そもそも吹き流しが無いこともあります。
色の鮮やかさなどもメーカーによって異なるので、色の好みで選ぶのもおすすめです。
鯉のぼりの吹き流しの色順番や意味まとめ
いかがでしたか?
鯉のぼりは誰もが知っているものですが、吹き流しの色や意味、由来まで知っている人はそう多くありません。
子供に質問されても答えられるように、簡単に覚えておくと良いですね。
それでは、今回のおさらいです。
・吹き流しの色は中国の五行説を由来にしている
・吹き流しの意味は子供を守る為の魔除け
・吹き流しには雲竜吹き流しと五色吹き流しの2種類がある
・最近では吹き流しの無い鯉のぼりもある
の5つです。
子供に吹き流しについて質問された時は、五行説よりも「元気に育ってほしいから」ということを伝えると分かりやすいですね。
ただのヒラヒラした飾りではないと分かるだけでも、子供にとっては面白いものですよ。